緑内障は、房水の流れや排出が悪くなることによって、
眼圧があがり視神経が圧迫されることでひきおこる視野狭窄や視力低下・失明です。
また、精神面にも影響されやすく、心身の疲労やイライラなどによって、眼痛や頭痛・悪心がおこったりもします。
意外に思われるでしょうが鍼灸治療は緑内障に対しての有効性が非常に高く、比べるものではないのですが、
西洋医学とは反対で白内障を治療するよりも、数段簡単です。何故かというと、緑内障は水の通りが悪くなっておこる病気です。
血液や水の流れを改善していくというのは、鍼灸の一番優れている部分だからです。
では、緑内障を中医学的に分類すると
1、肝火上炎(かんかじょうえん)
2、肝腎の衰え
3、1と2の合体型
1の肝火上炎では、ストレス・精神的プレッシャーにより、イライラ・カッカする状態をいい、
肝臓の状態を悪くし、眼にも悪影響を及ぼします。「目赤(もくせき)」といって白目が充血して赤くなったり、
顔面に赤みをおびてくるという特徴があります。
2の肝腎の衰えでは、眼は肝臓が栄養しているということから、肝臓の力の低下・その肝臓と関係が深く生命活動・陰陽のバランス・老化を司る腎臓この両臓の働きの低下により目が養われず、
目自体の力が低下することを意味します。
3の合体型では、元々肝・腎の機能低下があり、体内バランスを安定させる働きの陰が少なくなってる上に、
心身疲労や強い感情の起伏などにより、イライラの興奮が、頭部や身体の上部に集中した状態です。
ちなみに、この状態を専門用語でいうと「肝陽上亢(かんようじょうこう)」といいます。
このように、タイプ毎に分け、それぞれに合った治療をしていきます。こういう、おおもとの治療をしていくことを「本治(ほんち)」といいます。
その上で鍼治療の醍醐味である「つまりを通す」伝家の宝刀、局所治療(特効穴)で血や水の流れを調節していきます。