鍼と灸
その他吸い玉等を用い、対表面に表れる身体の様々な反応、シグナル、病変をとらえ、その状態に合わせ施術を行う古代から伝わる治療法です。
当時。
古代人は、まず火を使い始めると直接暖をとり、あぶった石の塊を体に当て寒さを防ぐ事を覚えた。
さらに、体のある特定の部位を温めると、痛みを緩和できることに気付いた。
これが発展し現在の灸法となった。
また、狩りの途中でとがった石や植物のトゲで体表を傷付けたり、出血することで、本来あった痛みが偶然楽になることに気付いた。
そこで、石の塊などを使い体表を刺激すると痛みが軽減することを覚えていった。
新石器時代になると、生産能力が向上し、より深部の治療を実現すべく、刺鍼用の石器、砭石(へんせき)と呼ばれる鍼具を用いた。
その後も病態に応じ、刺鍼道具を使い分ける必要性から試行錯誤が繰り返され、さまざまな目的に合わせた鍼具が登場した。
【鍼灸治療を行うことにより、何故、病気が改善されたり治ったりするのか?】
(免疫力UP)
病気は自分自身でもともと治す力があるのです。
怪我でも内臓の病気でも、休養することで治りますよね?その悪い場所に外から操作し(鍼灸治療をして)、
よりスピードをあげてやる。治る過程を短くする。
例えば、風邪を引いた時、熱を上げることで免疫力をあげ、ウイルスに対処していきます。
鍼をすると、免疫力をあげるため、普段より急速に熱があがります。
そしていっきに免疫をあげ、ウイルスをたたいていきます。
行程が短くなるわけです。本来持っている自然治癒力を最大限に活性化させることです。
1、 (不通即痛)
東洋医学では、痛みの原因を「不通即痛(通じないから痛くなる)」と説明しています。
血液、体液、リンパ液等が滞ったり、腫れたりすると、痛みが発生すると考えます。
鍼灸治療では、この痛み(不通)に対して、活血、利水、散らす等の方法を用いて滞りをなくすように働きかけます。
2、 (心と体の調和をはかる)
ツボにはそれぞれ内臓に働きかけ機能を調節したり、精神を安定させるなど様々な役目があります。
特に現代社会はストレス社会と言われ、近年、精神面から病気になるかたも多くみられます。
例えば、普通ストレスが原因で起こった耳鳴り・めまいの場合でも、耳鼻科に行きますよね。
でも本当はストレスが原因なのでストレスの解消をしてあげないといけませんね。
鍼灸治療では心と体、両側面からアプローチし、心身の調和をはかります。
4、(温める)
現代人は、クーラーや冷蔵庫が普及しているので、身体やお腹を冷やすことがとても多いようです。
中国の古典の中に、少腹(下腹)の冷たい女性は妊娠できないと書かれています。
現に不妊でいらした患者さんの中には、色んな治療を繰り返したのち最後に鍼灸院にみえられますが、
椀灸(おわんのなかにもぐさを入れて温める)などで、丹田(たんでん)(お腹の下)を温めてあげるだけで、簡単に妊娠することもよくあります。
また、冷えによって、関節が痛んだり、強ばったりするような場合でも、灸が効果を発揮します。
5、 (中国医学の基本的な治療法則)
中国医学の基本的な治療法則があります。2で述べたつまりをとるのも一つですが、
その他に・・
虚は補い、実は瀉す
熱は清める、寒は温める
虚とは正気が不足していること
実とは、邪氣(いらないもの)が旺盛なこと
熱が高すぎるものは清めてやる
冷えているものは温めてやる
というような、基本原則です。
わかってもらえたかとおもいますが、この通り、的確に治療が出来れば、病情は確実に好転しますし、副作用はありえないのです。
総じていえることは、私たち治療家は、患者さんが今どんな状態なのかをいかに的確に診断・判断できるかにかかっています。
知識・技術はもちろんのこと、センス・感性を磨く事も重要といえます。
それゆえ私たちは、日々、努力研鑚しています。